ちょっとご無沙汰してしまいましたが、
研修報告再開です。
ヤコブセン建築をご紹介していきますね。
こちらはスラレド市庁舎
西側正面が画面に収まらず、3分割です。
お手数ですが、繋がったところをご想像ください。
縦に大きく窓を取っているところが市議会の議会堂。
こちらがエントランス。
窓のデザインが議会堂とリンクしています。
そして実務を行う事務棟に分かれています。
この2つの建物はスキップフロアで繋がっていて、
ほどよい距離感を保っています。
ヤコブセン建築としてはスラレド市庁舎の名称で知られていますが、
現在スラレド市は合併してルダスタル市なんだそうです。
道路に面したサインボード。
なぜ名前が違うのか疑問だったのでスッキリしました。
1938年、アルネ・ヤコブセンは旧友フレミング・ラッセンとの共同設計で
このコンペを勝ち取ります。
最初のデザインは映画館と図書館までデザインされた大型施設でした。
1942年に完成したこの市庁舎は、グレーの大理石を使った
重厚感のあるデザイン。
1931年から続いた大型コンペ、ベルビュー地区とは
外観の印象が異なります。
実はこのとき、バウハウスデザインの流行は陰りつつあって、
ヤコブセンはこの秩序立った端正なデザイン、イタリア合理主義に
すでに興味を向けていたのでした。
この建物、当時は『病院のようだ』などと批判的な意見が多く、
評判は良くなかったんだそうです。
最先端すぎたんですね。
渡り廊下で繋がった増築棟は1969年、
やはりフレミング・ラッセンと共同でデザインされました。
エントランスを入るとまず出迎えてくれるのは
エレベーターを中心にした階段室。
ガラス張りのモダンなエレベーター。
手すりの曲線との対比が魅力的です。
光の効果も大切にするヤコブセン。
この愛らしいデザインのブラケットはスラレド市庁舎だけのオリジナル。
明るいエントランス棟に比べて事務棟は質素な造りです。
そして暗い・・・
壁は吸音パネル。こっちまで予算が回らなかったのでしょうか。
それでも照明はオリジナル。反射板に光を当てるというアイデア。
こちらが議会堂内部
大きな愛らしい絵画が雰囲気を和ませてくれています。
アーム付きのセブンチェアがたくさん並んでいましたよ。
天井に不思議な丸い物体が・・・
これは、間接照明と音響の効果を兼ねた設備。
機能的、かつ象徴的なデザインを生み出すヤコブセン。感服です。
この時計は同時期に設計されたオーフス市庁舎の為のデザイン。
この時計は外壁にも。
議会堂の中に装置があり、外の時計とワイヤーで繋がっています。
メンテナンスを考えてでしょうか?見せてしまうところがまた魅力。
市長さんのお部屋です
これはなかなか貴重な体験ですね。
ご不在だったのでしょうか・・・おじゃましますー
きっとかなり心の広い市長さんなんでしょうね。
メイヤーソファ、その名の通り市長さんのソファ。
このスラレド市庁舎の為にデザインされました。
デザインはアルネ・ヤコブセンとフレミング・ラッセンの共同制作。
こちらは食堂
セブンチェアとテーブルシリーズ(このタイプの脚は廃番です)
ルダスタル市のマーク!
この市庁舎を手掛けた2人、
フレミング・ラッセンとアルネ・ヤコブセンは、
幼少の頃同じ寄宿舎で過ごしました。
やんちゃが過ぎて寄宿学校に入れられたヤコブセンが、
唯一おとなしくしていられるのが絵を描いている時間だったそうです。
当時は画家になる夢を描いていたヤコブセン少年でした。
頑固で完璧主義。
そんなヤコブセンは人付き合いが苦手だったと言われています。
しかし、何か運命的なものに引き寄せられたのでしょうか。
フレミングとモーエンスのラッセン兄弟は
のちにデンマークでは欠かせない建築家となります。
そしてこの2人によって、ヤコブセンは建築家へと目覚めていくのです。
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