家具に用いるレザーには様々な種類がありますが、デンマークにて好まれるレザーの一つに「ナチュラルレザー」がございます。いわゆる「ヌメ革」と呼ばれており、染色などの加工を施していない、素のままの状態に非常に近いレザーです。こちらのレザー、経年変化により色が濃くなり、味わいのあるあめ色へと育ってまいります。ただ、育てる楽しみが大きい反面、染みなどがつきやすいという特徴もございます。
このナチュラルレザーの商品を、先日メンテナンス致しましたので、今回のブログではその様子を画像をまじえてご紹介させていただきます。
<メンテナンス前>
このたびメンテナンスしました商品は、ナチュラルレザーを用いたポール・ケアホルムのスツール“PK91”です。PK91は折り畳み式のスツールで、美しくひねりを加えられたスチールがいかにもポール・ケアホルムらしい作品です。私どもの店舗にて使用しておりますPK91、使用するにつれ、徐々に汚れがついてまいりました。
<ソープフレークによるメンテナンス>
今回のメンテナンス方法としましては、以前のブログでもご紹介させていただきました「ソープフレーク」という方法にて行います(是非、合わせてこちらのブログもご参照下さいませ→PPモブラー ソープ仕上げ天板のメンテナンス方法)。無添加の石鹸をカッターなどで削り、ぬるま湯で泡立て、その泡を使用して洗っていく方法です。
ナチュラルレザーにつきました染みを「除去」することや汚れを「落とす」ことは難しいため、ソープフレークを行うことで全体の色を濃くし、染みをなじませ目立たなくさせる、という方法です。ですので、ソープフレークでメンテナンスを行いますと、ナチュラルレザーのお色味が一段濃くなります。こちらの点にご留意いただければ幸いです。
また、こちらのソープフレークを行うにあたり、以下のような注意点がございます。
●ぬるま湯で石鹸を溶き、必ず石鹸を溶かしきること
→石鹸のフレークが残っておりますと、レザーなどに細かい傷が入ってしまうことがございます。必ず、石鹸は溶かしきります。
●粘り気のある泡がたつまでよく泡立てること
→泡の成分がレザーに浸透することで汚れを落とし、同時に石鹸の脂分がレザーに防汚効果をもたらします。
●手早く行うこと
→一カ所に水滴や水分がとどまってしまいますと、その部分のみ染みになってしまいます。全体的に手早く均一に行うのがポイントです。
●レザーがわずかに縮む可能性があること
→ソープフレークでメンテンスを行いますと、レザーが濡れて乾燥する際に、ほんのわずかですが縮むことがございます。さほど気になりませんが、念のためご留意くださいませ。
それでは、画像をまじえてご紹介させていただきます。
<メンテナンス中>
<メンテナンス後>
ソープフレークを行った後は、しっかりと自然乾燥させます。
乾燥後の座面。ソープフレークを行う前より、一段色味が濃くなりました。全体的に濃くなったため、染みもなじみ分からなくなりました。
ナチュラルレザーは経年変化をしていく様が非常に楽しく、味わいも出てくるレザーでございます。ご自身でメンテナンスをすることで愛着も湧いてまいりますので、是非ともその成長をお楽しみいただければ幸いでございます。
(※レザーは天然のものであり、かつ使用状況なども異なりますため、上記の手順に則って施工を行った場合でも、ムラが出来るなど仕上がりには個体差が生じることがございます。誠に申し訳ございませんが、その点につき、何卒ご了承いただければ幸いでございます。)
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