今では、名作と呼ばれる家具が数多く存在しているデンマークですが、当たり前のように名作があったわけではありません。過去から現代に至るまで、様々な変遷を経てこのような作品は生まれてまいりました。そんな変遷が非常にわかりやすく紹介されている書籍が発刊されましたので、ご紹介させて頂きます。
こちらの書籍の著者は、京都工芸繊維大学の助教授である”多田羅 景太”さん。デンマーク王立アカデミーにも留学をされていらっしゃいました。先日、店舗にもご来店くださりましたが、大変穏やかなお人柄であると同時に、デザインに対しての深い思いをお話していてヒシヒシと感じました。
こちらの書籍の大まかな流れとしましては、、、
「デンマークデザインの父と呼ばれている “コーア・クリント”から始まる ”萌芽期”」
「ポール・ケアホルムやアルネ・ヤコブセン、フィン・ユール、ハンス・ウェグナー、イブ・コフォードラーセン等が数多くの名作を生み出す ”黄金期”」
「そして、1970年代に流行した若者世代を中心としたポップカルチャー文化と、その影響により多くの工房が廃業をしていった ”衰退期”」
このような時代を中心に、多くのデンマークブランドが生まれた ”再評価期” などまで含め、それぞれのデザイナー・工房とデンマークという国を、時代の変遷と共に紹介されています。
特に、デザイナーの生没年表や家具年表は、同じ時代を生き、影響されあった関係性が見て取れ、非常に興味深い内容となっております。この1冊を読むだけでも、デンマークにおける家具・デザインに対する思考とその土壌の力強さを実感頂けるのではないでしょうか。
“流れがわかる! デンマーク家具のデザイン史”
著者 :多田羅 景太
出版社 :誠文堂新光社
□CHAPTER 1 「デザインの国 デンマーク」
□CHAPTER 2 「デンマークモダン家具 デザインの流れ」
□CHAPTER 3 「黄金期を彩った デザイナーと建築家」
□CHAPTER 4 「デザイナーを支えた 家具メーカーと職人たち」
□CHAPTER 5 「現在のデンマーク家具デザイン」
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