当店ダンスク ムーベル ギャラリーでは、このたび、ポール・ケアホルムの幻の3作品につき販売を行うこととなりましたので皆さまにお知らせいたします。なお、こちらの販売を記念し「ポール・ケアホルムが残した名作」と題したイベントを5月開催予定で進めて参りましたが、昨今の状況を考慮しイベントにつきましては延期とさせていただくことと致しました。イベントにつきましては、開催の時期が決まりましたら、改めてご案内させていただきたく存じます。→6月6日(土)~6月30日(火)にて展示いたします。
デンマーク家具黄金期である1950年代を中心に活躍したデンマーク人デザイナー、ポール・ケアホルム。木材が主流であった当時のデンマーク家具業界にあり、スチールを主な素材として用いた異色のデザイナーです。現在、ケアホルムの家具はデンマークの家具ブランド、フリッツ・ハンセン社やカール・ハンセン社にて製造されています。
「素材の可能性を追求したい」という彼の言葉通り、スチール・レザー・石など、彼の家具に用いられる素材は他のどの家具とも異なる佇まいを見せます。このような素材の用い方に加え、考え抜いた末に極限まで無駄を省いたその構造も大きな特徴の一つです。
このたび、ダンスク ムーベル ギャラリーでは、今ではどのメーカーでも製造されていないポール・ケアホルムの幻の作品、“アルミチェア”、ダイニングチェア “ PK12 ”、ダイニングテーブル “ PK50 ” の3アイテムを数量限定・独占販売することとなりました。
今回ご用意するこれらのアイテムは、2007年にケアホルム一族がアメリカのギャラリーと協力して数量限定で復刻生産したもの。そのうちケアホルム一族が代々受け継いでいくため数点保有していたアイテムを、特別にお譲り頂けることとなりました。ポール・ケアホルムの娘であり、当店ダンスクムーベル ギャラリーとかねてより親交のあるクリスティーヌ・ケアホルムさんから頂いた次のメッセージが、本企画の始まりでした。
「2007 年にリミテッドエディションとして開発されたPK デザインについてご連絡を差し上げます。2007年に数量限定で生産されたアルミチェア・PK12・PK50は、これからケアホルム家の子供達、さらには孫の代まで受け継ぐことを予定しており、市場に出回る予定はありません。ただ、ケアホルムデザインの理解者として、ダンスク ムーベル ギャラリーに今回オファーを致します。家族以外でこれらの家具についてのオファーはダンスク ムーベル ギャラリーだけです。このたびのオファーをもって、その後は家族の資産として登録されますので、再び市場に出ることは難しくなります」
私どもは、ポール・ケアホルムの家具の持つ静けさや深遠さが、日本人が古来より持っている美意識と一致するという信念のもと、彼の家具を常に展示し、皆さまにご紹介してまいりました。私どもにとりこのような光栄なオファーをいただけたこと、また、日本の皆様にお届けできますこと、この上なく喜ばしく思います。
アルミチェア・PK12・PK50に関してはこれが最後の販売機会であり、世界で独占発売でございます。お取り扱いを開始しておりますので、ご興味ございます方は店舗までお問い合わせ頂けましたら幸いでございます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
【作品ご紹介】
ケアホルムは、大量生産を可能とするためアルミニウムを材料に選定し、それをシンプルな製造プロセスである成型という方法を用いて3本脚の椅子を開発しました。座面と背もたれは薄いシェルによってなだらかに一体となり、また、シェルの強度を増すために周辺部分は中心部とは逆方向に成型されています。3本のスチール脚に成型されたシェルというモデルは、彼の代表的なダイニングチェアPK9へと継承されている構想です。当時、ケアホルムはこの椅子は大成功を収めると確信し、パンフレットや広告も自らデザインしましたが、その野心と準備にも関わらず、当時この椅子は大量生産には結び付かず、幻の作品となりました。
□ 1953 Chris Sorensen,2007 R Gallery / Sean Kelly Gallery
□ H65cm × W63cm × D64 cm
□ Aluminum
□ ブラック・イエロー・ブルー・グレーの4 色
□ 1,200,000 円(税抜)
※アルミチェアのカラーバリエーションにつきましては、こちらのページをご覧くださいませ※
1960年初頭、曲げ木のチェアに親和性を感じたケアホルムは、自身でも曲げ木のアームチェアをデザインしました。ただ、ケアホルムは結果的に曲げ木の技術に限界を感じ、素材をスチールに変え、このPK12をデザインしました。このように、スチールを用いることで椅子を構成するパーツを最小限に抑えることが可能となりました。背もたれ・アームレストと一体となった前脚と、背もたれの一部も兼ねる後ろ脚と、その2つを繋ぐ座面という3つのパーツよりPK12は成り立っています。また、身体に触れる部分に暖かな感触を残すため、ケアホルムは様々な材質を考えました。はじめはアームにコルクを用いますが、その後、座面・背もたれともにレザーを用いた仕様となりました。
□ 1967 – 1977 E.kold Chistensen A/ S,2007 R Galler y / Sean Kelly Gallery 1964/2007
□ H68cm × W63cm × D52cm
□ Stainless steel and leather
□ 2,100,000 円(税抜)
ケアホルムの目標の一つは、家具において「構造を示すこと」でした。ケアホルムのそれまでのテーブルは、外から見ただけでは天板の構造が分からないものでしたが、PK50により彼は進化を遂げ、まさに構造そのものをテーブルで表現するということを実現しました。このPK50はアームチェアPK12と対で考えられており、テーブルの脚にスチールを用いることでPK12の脚と調和を図りました。
□ 1964 E.kold Chistensen A/S,1984 – 2004 PP Mobler,2007 R Gallery / Sean Kelly Gallery
□ H68.5cm × W240cm × D80cm
□ Mahogany and steel
□ 2,400 ,000 円( 税抜)
【雑誌掲載情報】
4月7日発売の住宅誌モダンリビング250号にて、ポール・ケアホルムと幻の3アイテムにつきご紹介いただいております(P200~P204)。ポール・ケアホルムという選択肢を皆様にお伝えしたく、撮影では当店よりスタイリングを行わせていただきました。日本ではあまりご覧いただく機会のないレザー天板のダイニングテーブル“PK40”なども掲載されております。是非ともお手に取ってご覧くださいませ。
※作品に関するお問い合わせは以下の店舗までお願いいたします。
DANSK MØBEL GALLERY(ダンスク ムーベル ギャラリー)
▽株式会社KEIZOグループ店舗
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