現在、ダンスクムーベルギャラリーに展示中のアルファベットソファは、イタリアのデザイナー、ピエロ・リッソーニ(Piero Lissoni)のデザインによるものです。座面や背もたれのモジュール、張り地のファブリックのバリエーションの豊かさから、お住まいに合わせた形や好みの色でカバーをお選びいただける大変魅力あるソファです。
アルファベットソファには様々な種類の生地をお選びいただけますが、当店に展示中のものには、デンマークのテキスタイルメーカーKvadrat社とデザイナーのラフ・シモンズ (Raf Simons) のコラボレーションによるテキスタイルを使用しています。落ち着いた色調のこのファブリックはSonar2というシリーズのもので、永く飽くことなくお使いいただけると自信をもってお勧めできるファブリックです。
グレーが主調色となっていますが、よくみると赤い糸、青い糸が織り込んであり、それが色調を複雑かつ豊かなものとしています。この生地をお気に召したお客様にサンプル帳をお見せすると、多くの方が「こんな布地でスーツを作ったら、素敵ですね!」と感嘆の声をあげられます。
1968年ベルギーに生まれたラフ・シモンズは、ゲンクの工業デザイン学校で映像や写真を学びました。卒業後は、インテリアデザイナーとしてキャリアをスタートさせましたが、現在ではむしろファッションデザイナーとして著名です。自身のブランドを立ち上げ、ジル・サンダーやディオールのクリエイティブディレクターを務めていた時期もあります。
そんなお話をすると、皆様は大きくうなずかれます。Sonar2というテキスタイルがインテリアとファッションの垣根を越えるすばらしいデザインだからです。どちらの領域でも活躍してきたラフ・シモンズならではの感性の賜物ですね。布地を手にとって顔を近づけてみると、まるで抽象絵画のように美しく、その美しさの秘密にすこし触れたような気がしてため息がでます。その色彩、テクスチャー、異なる太さの織り糸の組み合わせなど、時間をかけ、熟考と試行錯誤を経て生まれたものであることがよくわかります。
こちらの生地を纏うと、家具の持っている印象もガラリと変わります。例えば、ポール・ケアホルムのデイベッド、“PK80”。その美しいフォルムのため、レジデンスはもちろん美術館の展示室やロビーなどでも多数採用されている名作です(デザインされたのが1957年ですから、今年でちょうど60周年!です)。通常はレザー張りのイメージが強い作品で、レザー張りのモデルはスタイリッシュでミニマルな印象を受けます。
その美しさから、気品さえも感じさせる“PK80”。家具でありながらも美術品のようなその佇まいを見ていると、美術館に採用されることが多いことにも頷けます。こちらの“PK80”も、ラフ・シモンズのファブリックを纏うとレザーとは異なるやわらかい表情を見せてくれます。
ポール・ケアホルムの作品の持つ崇高さが、少し親しみやすくなりますよね。また、アルネ・ヤコブセンによるデザイン、“スワンチェア”などにもこちらのファブリックを張ることが出来ます。有機的でオーガニックなフォルムがより一層、生き生きとしてきます。
こちらのお客様にはお揃いの生地でベッドのヘッドボードも製作いたしました。休息前に自然と安心感を与えてくれるような仕上がりでした。
インテリアの可能性・選択肢を広げてくれるラフ・シモンズのファブリック。店舗にファブリックサンプルなどもご用意しておりますので、是非とも店舗にてお手に取り、その感触をご覧いただければ幸いです。
DANSK MØBEL GALLERY(ダンスク ムーベル ギャラリー)
▽株式会社KEIZOグループ店舗
REPUBLIC OF FRITZ HANSEN STORE OSAKA