「世界に1脚」の希少な作品 キューバン・マホガニーの“チーフティンチェア” 展示開始いたしました。

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建築家であり偉大な家具デザイナーでもある北欧デザインの巨匠、フィン・ユール。そのフィン・ユールがデザインをした名作“チーフティン・チェア”の中でも、「世界に1脚」の大変希少な作品を、先日よりDANSK MOBEL GALLERY(ダンスク ムーベル ギャラリー)では展示しております。

 

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<デンマークデザインの異端児 フィン・ユール>

フィン・ユールは、デンマーク出身の建築家であり家具デザイナー。当時のデンマーク人デザイナーの中で、フィン・ユールは異端であり、常識を覆したデザイナーでした。

 

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Finn Juhl(フィンユール 1912-1989)

当時のデンマークでは、ほとんどのデザイナーが家具職人の資格を有していました。ハンス・J・ウェグナーは17歳で、ボーエ・モーエンセンは20歳で、ポール・ケアホルムは19歳で家具職人の資格を取得しました。「デザイナーである前に職人」であることにより、使いやすく耐久性にも優れた完成度の高い家具が、デンマークでは作られてきたのです。これらの伝統的なデンマーク人デザイナーは、デンマークモダンデザインの父・コーア・クリントの流れを汲む、いわば「クリント派」と呼べるものでした(コーア・クリントと彼の作品についてはこちらをご参照下さい)。

 

そんな中、「クリント派」の枠組みに全く収まらなかったデザイナーがフィン・ユールです。フィン・ユールは学校で建築を学び、その後独自に家具をデザインしていきます。当時活躍をしていた建築家・ヴィルヘルム・ラウリッツェンの事務所に11年間在籍し、数多くのプロジェクトを経験していきます。「家具職人」ではなく「建築家」であったフィン・ユールは、従来の既成概念にとらわれない、当時のデンマークデザインとは一線を画する作品を生み出すこととなります。

 

従来のデンマークデザインの手法とは異なるフィン・ユールの作品は、その当時のデンマークでは常識破りで異端であったため、デンマーク国内では当初は評価されませんでした。特にクリント派からは痛烈な批判を浴びます。彼のデザインが最初に評価されたのはアメリカであり、アメリカでの人気がデンマークに伝わり、デンマーク本国でも評価が高まっていったのです。後年、「フィン・ユールはあえてクリントが築き上げた学校の権力を壊すことで、新たな家具デザインの活気へ繋がる道を切り開いた」と評価されています。

 

<“チーフティン・チェア” 酋長のための椅子>

このたび、DANSK MOBEL GALLERYにて展示を開始した作品は、フィン・ユールが1949年にデザインをした“チーフティン・チェア”。「酋長のための椅子」という意味であり、威厳と品格を兼ね備えた名作です。他の誰でもない、「まさにフィン・ユール」というべき作品です。

 

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<世界に1脚のチーフティン・チェア>

現在は背中のボタンが4つのものが製造されておりますが、オリジナル品は背中のボタンが3つとなっております。この背中のボタンが3つのオリジナル品は、3つの工房でのみ製造されました。ニールス・ヴォッター79脚、イヴァン・シュレクター10脚、ニールス・ロート・アナセン150脚の合計239脚です。その239脚のうち、たった1脚だけ「キューバン・マホガニー」にて製造をされたものが存在します。今回、当店にて展示をしておりますチーフティン・チェアが、まさにその1脚です。

 

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<キューバン・マホガニーのチーフティン・チェア>

こちらの1脚、製作はニールス・ロート・アナセン。ニールス・ロート・アナセンは、フィン・ユールが直接製造を許した最後の工房です。フィン・ユールは、ニールス・ロート・アナセンがチーフティン・チェアを製作するにあたり、より自身の発想に忠実に製造できるよう、細部にわたり様々な注文を付けたと言われています。

 

使用されておりますキューバン・マホガニーは、マホガニーの中でも「真正」と言われる木種。チーク、ウォルナットと並ぶ世界三大銘木の一つであり、「赤い黄金」とも呼ばれる最上品質の木材です。絶滅危惧種として1973年にワシントン条約に指定されたため輸出が禁止され、家具の材料に使用することが難しい木種となりました。

 

展示中のチーフティン・チェアは、ストックとしてニールス・ロート・アナセンが持っていたキューバン・マホガニーを使い、1998年に製造されました。製造後、一度老夫婦の手元にわたりますが、2010年ごろ再度アナセン氏の手元に戻ってきたのをきっかけにレザーの張替などアナセン氏自身が手掛け、全面的にメンテナンスを行い保有していたものです。

 

<アナセン氏 直筆の証明書>

239脚のうち、1脚しか製造されなかったキューバン・マホガニーの大変貴重なチーフティン・チェア。アナセン氏の直筆の証明書もついております。今後、オークションなどで価値が上がることが予想される、大変希少な作品でございます。是非とも、DANSK MOBEL GALLERYにご覧いただければ幸いでございます。

 

“チーフティン・チェア”
デザイナー:フィン・ユール

製造:ニールス・ロート・アナセン
製造年:1998年
木種:キューバン・マホガニー
レザー:ナチュラルレザー
証明書付き

本体価格:15,000,000円(税抜)

 

【インテリアコーディネート】

※当店ダンスク ムーベル ギャラリーではインテリアコーディネートも行っております。

詳細はこちらのページよりご覧くださいませ。

DANSK MØBEL GALLERY(ダンスク ムーベル ギャラリー)

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