全世界で展開されている様々な家具のほとんどに、“品番”が設定されています。こちらの品番、デザイナーが決める事もあれば、製作をしている工房が決める事もありますが、この品番にも実は、様々な意味が込められております。
例えば、Fritz Hansenにて1955年から今なお製作され続けているアルネ・ヤコブセンの「セブンチェア」は“3107”。この品番にも意味があり、初めの“3”は、ベース(脚部)部分が金属でできている事を表し、2番目の“1”はアームがついていない事を表しています。アーム付きのセブンチェアの場合、2番目の数字が“2”になり、“3207”となるのです。
また、ハンス・J・ウェグナーの「ベアチェア」は現行のモデルは“PP19”という品番ですが、頭の“PP”という文字は現在製作をしている【PP Mobler社】の頭文字を表しています。デザインされた1950年は「AP Stolen社」にて製作されており、その頃は“AP19”という品番がついておりました。
そんな様々な家具の品番の中でも、PK22やPK31等で知られる、“ポール・ケアホルム”の品番については、彼らしい独特なこだわりが強く感じ取れます。今回は、そのポール・ケアホルムによる、彼らしい法則で設定されている品番についてをご紹介させていただきます。
<品番の法則>
ポール・ケアホルムは、自身の作品に「ある法則」で品番を付けております。その法則とは、“家具をカテゴリーごとに分別する”事でした。
大きく分けて「チェア」「アームチェア」「ラウンジチェア」「アームレスト付ラウンジチェア」「テーブル・デスク」「ローテーブル」「デイベッド・カウチ」「折りたたみスツール」「アクセサリー」の9項目。その分類されたカテゴリーにそれぞれの数字を設定し、その項目にあった作品をデザインした際は、今まで使用していない空いている番号の中から、好きな番号を自由に選び、その作品の品番としました。
しかし、この中でも唯一、“PK33”という一人掛けスツールについては、この法則を破っています。
本来であれば、PK30-39は“アームレスト付 ラウンジチェア”のカテゴリーだったはず。PK33がこのカテゴリーに属さないにもかかわらずPK33となったのは……「3本脚の椅子」だったという事。何事にもストイックで、妥協を許さないポール・ケアホルムの意外な一面が垣間見れます。
現在、当店DANSK MOBEL GALLERYでは、ポール・ケアホルムがデザインした家具を数多く展示致しております。是非ともご来店の上、座り心地は勿論、デザインの秀逸さを、ご堪能頂けますと幸いでございます。
DANSK MØBEL GALLERY(ダンスク ムーベル ギャラリー)
▽株式会社KEIZOグループ店舗
REPUBLIC OF FRITZ HANSEN STORE OSAKA
DANSK MØBEL GALLERY