東京はここ数日でいよいよ湿度も上がってまいりまして、少し動くと汗ばむ陽気となってまいりました。気温も上がってまいりましたので、皆様体調など崩されぬよう、どうぞくれぐれもお気を付けくださいませ。
さて、今回のブログでは、当店にて展示しております“PK22”というラウンジチェアについてお話をしたいと思います。
北欧家具はどのような家具?
皆様は北欧家具と聞いて、どのようなものをイメージされますでしょうか?一般的に北欧家具のイメージとしては、「木を用いた優しく家庭的な印象の家具」や「明るく柔らかい色使いが特徴の家具」などが挙げられるかと思います。いずれも北欧らしい、温かみのある家具であると私も思います。
もともと北欧には木の文化がありますので、木を用いた家具が古くより生産されていました。それと同時に、ここ最近は明るくカジュアルな北欧家具も数多く製造・販売されるようになりました。これらの北欧家具は日本においても人気が高く、「北欧テイストのインテリア」と言った場合、このようなイメージが割と一般的なのではないかと思います。
レザーとスチールの北欧家具
そんな北欧家具の中において、「レザーとスチール」を用いて家具をデザインしたデザイナーがいます。彼の名は、ポール・ケアホルム(1929-1980)。1950年代を中心に活躍したデンマーク人デザイナーであり、木を用いた家具が主流であった当時のデンマークに置いて、レザーとスチールを主に用いた彼は鬼才と言われました。
鬼才 ポール・ケアホルム
ポール・ケアホルムは「一切の妥協を許さないデザイナー」としても有名でした。彼は非常に美意識が高く、特に細部(ディテール)に対するこだわりは特筆すべきものがありました。彼の作品は「隠すところがどこもない」と言われています。家具をひっくり返して裏側を見ても、大変美しいのです。ケアホルムの家具は、「構造自体がデザイン」となっているのです。
ケアホルムは、スチールも木と同じような素材であると捉えていました。スチールは一般的にシャープで硬く、鋭くて冷たい印象がありますが、ケアホルムの作品からは不思議とそのような印象は受けません。むしろ、見慣れてくると温かみさえ感じさせる、そんな作品を数多くデザインしています。
ケアホルムの生み出した名作 PK22
そんなポール・ケアホルムがデザインしたチェアの中でも、特にケアホルムらしい作品が「PK22」という作品です。デザインされたのは1956年。今から60年も前ですが、今現在においてもモダンさは一向に失われず、むしろその輝きと存在感、デザインのもつ秀逸性は時を重ねてより一層、増しているのではないでしょうか。
スチールは必要最小限の厚みに抑えられ、その表面は柔らかさを演出するためにマットな質感に仕上げられています。脚の接地部分は鳥の脚を彷彿とさせ、背もたれは人の背中のような優雅な曲線を持ち、座面の低さは私たちに安心感を与えてくれます。まさに、必要にして十分。「less is more」=「そぎ落とされた中に生まれる豊かさ」を、まさに体現しているのではないでしょうか。
PK22(籐) DANSK MOBEL GALLERYにて展示しております
そんなポール・ケアホルムのPK22の籐編み仕様を、現在DANSK MOBEL GALLERY(ダンスク ムーベル ギャラリー)では展示しています。籐編み仕様はレザー仕様に比べ座面に張りがあり、レザー仕様よりも「サラッとした」「さっぱりとした」座り心地となっております。
籐編み仕様には日本らしい雰囲気がありますので、私たちにとってどこかしら親しみを感じられる作品となっております。見た目にも涼しげなPK22。是非とも一度ご来店頂き、お座りいただければ幸いでございます。
DANSK MØBEL GALLERY(ダンスク ムーベル ギャラリー)
▽株式会社KEIZOグループ店舗
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DANSK MØBEL GALLERY