ルイジアナ美術館

ぼくが留学していた学校は、コペンハーゲンから北へ40kmほどのところにあるHelsingørという港町にあった。ハムレットの舞台として有名な世界遺産「クロンボー城」があることでも知られている。母国で映画監督をしているというブラジル人に声を掛けられ、クロンボー城を舞台にした映画に出演させられたのは、今となってはいい思い出だ……。でも、ぼくにとってもっと思い出に残っている場所が他にある。それが、学校から自転車で行ける距離にある「ルイジアナ美術館」。ちなみに、ぼくの1冊目の本『北欧デザインをめぐる旅』の中で、”世界で一番好きな美術館”と公言している場所だ。留学していた1年間に5回ほど訪れたが、たしか最初に訪れたときのエキシビションが、「ヨン・ウッツォン」だったのを覚えている。ヨン・ウッツォンについて簡単に説明すると、シドニーの「オペラハウス」やデンマークの「バウスヴェア教会」などの設計で知られる建築家で、デンマークではアルネ・ヤコブセンと並び称される存在。あのヤコブセンが、ウッツォンのクリエイティブな才能に嫉妬したという話も……。話は逸れたが、ぼくがここを好きな理由は、エキシビションやコレクションだけが理由ではない。海のそばで緑にあふれるという唯一無二のロケーション、そしてカフェなどで使用されている名作椅子もまた、大きなポイントだ。カフェでは、アルネ・ヤコブセンの「セブンチェア」と、キャスパー・サルトの「アイスチェア」というフリッツ・ハンセンの新旧の名作が共演を果たしている。

 

(KENTAROU)

 

 


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『北欧デザインの巨人たち あしあとをたどって。』(ビー・エヌ・エヌ新社)

http://www.bnn.co.jp/books/title_index/design/post_160.html

*ヤコブセン、フリッツ・ハンセンのエピソードが満載です!

萩原健太郎
http://www.flighttodenmark.com/

 

 

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