北欧の器は、豊かさに満ちた人々の日常に欠かせないものであり、
美しく、機能的。
あこがれますよね。
暮らしに美を取り入れようという動きは20世紀初頭、スウェーデンから始まりました。
そして1960年代にはこれまでの機能的な無地のデザインの傾向から装飾的な柄が登場し、消費者の選択肢はぐっと広がったのです。
家具だけでなく、素敵なビンテージがたくさんあるのは器も同じ。
旅行先で見つけた掘り出し物など、お持ちの方も多いのではないでしょうか。
今回はフリッツ ハンセン ストア 大阪にある器についてご紹介したいと思います。
■ 作品 1
【作家 / スティグ・リンドベリ】
スウェーデン人のリンドベリは1959年に来日しており、それ以降、素朴で力強い作風に変化しています。
こちらはその当時1960年代の作品と思われます。
日本人の感性を揺さぶるようなデザインです。
こちらは以前の展示の様子ですが、日本画作家の描くアートの効果もあって、まるで茶器のようです。
デンマークデザインのキャビネットまでもが和の空間を想像させる相性の良さでした。
■ 作品 2
【作家 / フリードル・ツェルベリ】
フィンランド、アラビア製陶所に在籍していたツェルベリは、優れた轆轤師であり、また科学的な知識も豊富だったため、1950年以降はとりわけ釉薬の研究に傾倒、自らのイメージに沿った釉薬を作り出しました。
これまで艶のない濃い灰色に転じることが多かった釉薬に不満を抱いたツェルベリは、焼成などにも工夫を加え、艶を持った明るい発色を得ることに成功したのです。
中国、宋の時代の陶磁器を理想とした彼女の作品もまた、心に響きます。
極限まで無駄を省いたデザインのPK54。
ともすれば硬派なデザインと、その雰囲気を和らげる大理石の風合い。
内面の大胆な釉薬使いながら、繊細で滑らかなこの器はどこか共通するものを感じます。
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北欧の器ではありませんが、ぜひご紹介したい器がもう一つ。
■ 作品 3
元総理大臣の細川護熙氏の作品を、建築家の安藤忠雄氏が金継ぎしたもの。
大胆な金継ぎがもはや装飾となっている魅力的なこの器。
安藤先生の手書きのメッセージにお人柄を感じます。
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