ベルビュー地区はアルネ・ヤコブセンの手がけた
リゾートプロジェクト。
1930年、人工の海水浴場がオープンした当時、
ここはサマーシティと呼ばれていたそうです。
デンマークの短い夏を楽しむ、憧れのリゾート地だったのでしょうね。
公園からみたベルビュービーチ
更衣室やシャワーなどを備えた
「コスタル・バス(1931)」のコンペにおいて、
弱冠29歳にして勝利したヤコブセン。
その後は有名な監視塔や、ベラヴィスタ集合住宅などを
次々にデザインしていきます。
コンセプトは青と白。
シンボルの監視塔。青と白のストライプが印象的です。
シャワースタンドもヤコブセンデザイン!
ベラヴィスタ集合住宅(1934)
その外観は白亜の箱と称されています。
ベランダのパーゴラが影を落とし、壁にストライプ模様を描いています。
光や影までもデザインしていたのですね。
このベラヴィスタは富裕層向けの集合住宅として建設されましたが、
さすがヤコブセン、即完売だったそうです。
ベルビューシアター(1936)
当時にしては珍しい、天井開閉式の劇場。
中を見学しましたので、詳しくは次回のブログにて。
世界一有名なガソリンスタンド、テキサコガソリンスタンド(1937)
今なお現役!
支柱の照明が天井を照らす夜の光景はさぞ美しいでしょうね。
インパクト大のファサート。
このくびれがアントチェア想像させ、
デザインの原型ともいわれています。
なるほど。
奥にはジェラートのお店。イートインスペースもありました。
もちろん食べます。
アルネ・ヤコブセンがこのプロジェクトを手がけたのはまだ30代の前半。
才能あふれるヤコブセンによる近未来的なデザインの出現に、
新しいライフスタイルを求める人々は胸を躍らせたことでしょう。
しかしながら、これはまだヤコブセンデザイン史の序章に過ぎません。
ベラヴィスタの白い箱の集合体には
余計なものを排除した機能主義的な傾向が見られます。
コスタル・バスも同じく白く低い箱型のデザイン。
この時期のデザインにはバウハウスの影響を色濃く感じます。
それでも時折見せるヤコブセンらしさの片鱗ー
ーそれは彼が生涯追い求めたテーマ、
自然との調和、直線と曲線の融合、光の効果。
若きヤコブセン、
この時すでにオリジナルへの挑戦を試みていたのですね。
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ベラヴィスタに隣接する、スーホルムⅠのヤコブセン邸についても
ブログを書いています。
ぜひ併せてお読みいただきたいと思っております。
BLOG デンマーク研修報告2018⑤~アルネ・ヤコブセン邸~
ヤコブセンはこれ以降、白い箱はデザインしていません。
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