4/15(土)より中之島美術館にて「佐伯祐三ー自画像としての風景ー」が開催されています。
佐伯祐三 さえきゆうぞう(1898年~1928年):大阪市出身。大正昭和初期の洋画家。東京美術学校を卒業後、5年間で2回パリに滞在し、多くの代表作をパリで製作しました。1回目の渡仏でパリにある美術学校の自由科に通います。そこには著名な画家が歴代通っており、太陽の塔で有名な岡本太郎さんもその一人です。
日本にいたころの自画像です。(東京美術学校には卒業にあたり自身の自画像を描いて寄付する習わしがあり、その際に寄付したもの。)
この頃の作風はまだ印象派のような穏やかな作風です。
しかし、一回目の渡仏の際、フランス人画家ヴラマンクに自身の作品「娼婦」を見せたところ、強く批判されたことがきっかけで自身の作風・色彩などを見つめなおし、その結果、この頃から画風が変化したと言われています。
ちょうどこの頃の彼の自画像です。荒々しいタッチでなぜか顔は削り取られています。自身の作風を模索していた心の葛藤がそのまま作品に表れています。ヴラマンクとの出会いが彼の表現上の個性が変わる運命的な出会いとなったのです。
その後、彼は残念なことに結核で体調を崩し、家族からの帰国の説得もあり療養のため一時帰国します。
しかし彼はその間もフランスへの情熱、描くことへの情熱を持ち続け、再び渡仏します。その後次々と作品が入選しましたが、持病の結核の悪化と精神面での衰弱から、30歳という若さで亡くなります。
彼の晩年の作品は「郵便配達夫」。
中之島美術館のオープニング展でもメインを飾っていました。
死を目前に、自宅に偶然訪れた白髭姿の配達夫をみた際、画家として制作意欲をかきたてられ、最後の力を振り絞って描いた絶筆に近いと言われている作品です。
今回は4年半という短い画家人生で彼が築き上げた作品が、中之島美術館に集約された初の回顧展になります。
佐伯祐三さんと岡田穀さん
19世紀後半から20世紀前半にかけて、パリを多くの日本人美術家が訪れていました。中には佐伯祐三さんと交流のあった日本人画家もいます。その中の一人が岡田穀さんです。
岡田穀 おかだみのる(1988-没不明)・・・明治維新によって職を失った大洲藩士の家計に生まれ、のちに画家として渡仏し、1924年に南仏に移住します。転居後は佐伯祐三さんがその場にアトリエを構えるなど、佐伯祐三さんとも交流がありました。しかしながらその足跡はいまだに謎に満ちています。
息子は俳優のE・H・エリックさんと岡田真澄さんです。
「パリに渡った日本人画家・岡田穀」 ∼「エコール・ド・パリ」交友録と佐伯祐三~
この度、その岡田穀さんの孫娘にあたるタレントの岡田美里さんから、岡田穀さんと交遊のあったエコールド・パリと呼ばれる画家たちのエピソードとともに岡田穀さんの人生をお話しいただく講座がリーガロイヤルホテルの文化教室で開催されます。
アートナビゲーターで美術史の講師でもある琴見ゆりさんも参加され、ご家族であっても謎の部分が多かった彼の足跡を、美術史の観点から紐解くお手伝いをされています。
岡田美里さんからは、ご家族でしか知りえないような美術史上には登場しないエピソードを聞けるチャンスがあるかもしれません。
また琴見ゆりさんから、佐伯祐三展の見どころの解説と岡田穀さんが生きたエコール・ド・パリの時代についての講和も予定されています。
実際、美術館に行ってみたものの見方がわからず、ただただ「綺麗だなぁ、素敵だなぁ、、、なるほど、これがあの有名な絵か」という感想だけで終わってしまったこと、ありませんか?
撮影許可の出てる作品だけ携帯のカメラにおさめて満足して帰ってくるような。。
その美術展の見どころや時代の背景をプロの方から聞いてから巡ると、きっと今までとは違った作品の見方ができるのではないでしょうか。
佐伯祐三展には、岡田穀さんがパリで住んでいた建物の絵の展示があるそうです。
パリに渡った日本人画家・岡田穀~「エコール・ド・パリ」交遊録と佐伯祐三~
2023.5/2(火)1:30 p.m~3:00p.m(受付1:00p.m~)
●講師 岡田美里(タレント、実業家)
琴見ゆり(アートナビゲーター[美術検定1級])
●会場 ダイヤモンドルーム(ウエストウイング2階)
●受講料 ¥4,400 (税込み)
●特典
チケット提示にて、直営レストランでのご飲食代金10%割引(当日のみ)
※一回限り有効・他の優待・割引との併用はいたしかねます
~詳しくは下記にお問い合わせください~
リーガロイヤルホテル エコール ド ロイヤル
TEL:06-6441-2938 (直通)
FAX:06-6448-0903<受付時間9:30a.m.~5:00p.m/日曜・祝日休み>
〒530-0005 大阪市北区中之島5丁目3番68号
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是非この機会にアートに触れてみられてはいかがでしょうか。