展覧会 岡本太郎①



昔、CMでピアノを激しくたたきながら放つこの一言に強烈な印象を受けました。

『芸術は、爆発だ』


子供のころの私にとって岡本太郎とは、偉大な芸術家というよりも大きく目を見開き、何を言っているのか分からない・・・ちょっと変わった人という感じでした。


岡本太郎の代表作といえばなんといっても大阪万博のシンボルである太陽の塔。

大阪の方のみならず、多くの日本人、いや世界中の人の心をつかむ、強烈な個性を放つ大作です。

・・太陽の塔についてのお話はまた改めてゆっくりと。



現在、芸術家・岡本太郎の展覧会が中之島美術館で開催されています。

展覧会 岡本太郎 2022年7月23日~2022年10月2日

https://nakka-art.jp/exhibition-post/taro-okamoto-2022/


中之島美術館


フリッツ ハンセン ストア 大阪の位置するリーガロイヤルホテルにもほど近い中之島美術館は今年、2022年に開館した中之島の新しい名所です。

中之島を拠点とする14機関による国内最大規模のプロジェクト、クリエイティブアイランド中之島のひとつでもあり、文化施設をはじめ歴史的建造物、公園などが共存する中之島の発展に携わっています。


1983年の大阪市政100周年記念事業基本構想から約40年、1990年の近代美術館建設準備室が設置されてから30年もの時間がかかりました。

その間財政難などもあり、計画が頓挫するのではないかといわれたこともあったそうです。


30年の間に時代は大きく変化し、今、そして未来を見据えた『新しい美術館』が誕生しました。


新しい美術館


開館当初から、収蔵した6000点ものコレクションから厳選した『超コレクション展』をはじめ、『モディリアーニ展』と次々魅力的な展示会を開催し、美術館としての力量を発揮しました。

しかしそれだけにとどまらないところが『新しい美術館』である所以です。


建築

設計:遠藤克彦建築研究所


浮遊するコンクリートの黒い四角(ブラックキューブ)、一見無機質な冷たい印象を受けますが、実は表面が削られており、光を受けて柔らかな陰影をもたらしています。


建物の中は、外観からは想像できない空間が広がっていました。


『パッサージュ(PASSAGE)』を建築の核としたこの建物は、まず5階までの広い吹き抜けに圧倒され、そこから柔らかく差し込む光がもたらす神聖な雰囲気と、美術館という文化的な施設が与える軽い緊張感に包まれます。

1階から4階を見上げる。あそこにたどり着いたら何があるのか・・・とワクワクさせてくれます。


視線を水平方向に移すと1、2階は駅のコンコースのようなロビー空間となっていて、ミュージアムショップやインテリアショップなどがあり、誰でも気軽に入れるように配慮されています。

入り口にはこんな愛らしい太陽の塔がお出迎えしてくれます。笑ってますよね。


まずは長いエスカレーターで4階まで上がっていき、短いエスカレーターに乗り換えて5階へ。

中之島は堂島川、土佐堀川に挟まれた中州になっており、河川の氾濫の災害を考慮して美術品を上階に保管することを考慮しているため、このような仕組みになっているそうです。


エレベータではなくゆっくりエスカレータで上がっていくことで、じわじわと異世界へ誘っていくような興奮を味わうことができます。


エスカレーターは東西・南北に渡っていて、振り返ると違う向きに進むエスカレーターが見えます。
致命的な方向音痴の私は、『あれはどこへ向かうのだろう』と首を捻ることになります。


建物4面の窓からは中之島の様々な景色を見ることができ、新しい建物や工事中の現場など、今の中之島が実感できます。

現在新たな開発が進む中之島、来るたびに違う、その時しか見ることのできない景色を味わうことができるのではないでしょうか。



アート


近年の美術館には、シンボルとなるアート作品が建てられていますが、中之島美術館のアイコンといえばやはり、このネコですよね。



大阪出身のアーティスト、ヤノベケンジの作品で、2017年から福岡をはじめ日本各地のほか、フランスや上海など各地を回りながら作り続けてきた旅の守り神、旅をしながら福を運ぶ猫『SHIP’S CAT』のシリーズで、SHIP’S CAT(Muse)です。


SHIP’S CATとは、大航海時代に乗船した船乗り猫のことを指しています。

船乗り猫の本来の役割はネズミなどの害獣を駆除することですが、天候を読んだり危機を察知する能力があるとされ、守り神のように扱われたそうです。

何よりかわいくて癒されますものね。


そんな21世紀の船乗り猫は宇宙服に身を包んだ、未来派の守り神です。

SHIP’S CATのシリーズは猫好きにはたまらないかわいらしさです。

SHIP’S CAT Project (2017) | PROJECTS | YANOBE KENJI ART WORKS



ヤノベ作品をもう一つご紹介。



ジャイアント・トらやんです。

7.2メートルもの巨大な機械彫刻は、子供の命令にのみ従い、歌って踊り、火を噴く子供の夢の最終兵器のトらやん。


これまで大型現代アートの収蔵庫『MASK(MEGA ART STORAGE KITAKAGAYA)』で保管されてきたジャイアントトらやんは、中之島美術館に寄贈されることになり、最後のパフォーマンスで本当に火を噴くファイヤーパフォーマンスを行い、喝采を受けて堂々やってきた、のだそうです。


ヤノベケンジ実父の腹話術人形が原型とか。


まだまだ見どころがたくさんの中之島美術館。

皆様もぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。



さて本題。

展覧会 岡本太郎


文頭にも書きましたが、1970年に開催された大阪万博の巨大な建築物、太陽の塔を生み出した岡本太郎(1911-1996)。


『本職?人間だ』と語る、その多岐にわたる表現活動のなかで何に苦しみ、恐れ、そして戦い、一体どのような人生を送ってきたのか。


今回の大回顧展は、若かりしパリ時代から晩年までの多くの展示作品とともに岡本太郎の生涯を辿る史上最大の展覧会となります。


見どころは戦火で焼失したといわれるパリで見つかった3作品。

当時の作品は残っていないといわれていたのですが、果たして・・・




展覧会 岡本太郎の内容については、次回のブログでご案内することにいたします!







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