当店では絵画をインテリアの一つとして考え、取り入れています。絵画があるとお部屋の印象がかなり変わってきます。とはいえ、どんな絵画を選べばいいのか分からなかったり、画廊を訪れるとなると急にハードルがあがって難しい、、と思ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで本日は、当店に展示してある絵画を作家さんとともにご紹介したいと思います。ぜひ絵画に興味を持っていただき、インテリアの一つに取り入れる参考にしていただければと思います。
作品紹介
① 作家:津高和一 つたか わいち 作品名:そこにあるもの
サイズ:61×82㎝
こちらは5枚1組での販売になります。気分や季節、そのときのインテリアによって変えていただくことができます。
詳しくはお問い合わせください。
津高和一(1911-1997):現在の大阪府大阪市浪速区で誕生。幼少期に兵庫県西宮市の津高家の養子になり、同地で育つ。戦前は詩人として活動、戦争の影響で絵筆に持ち替えて作家活動を始める。
作品はニューヨーク近代美術館、大英博物館、サンパウロ現代美術館などに所蔵されています。
1997年の阪神淡路大震災で倒壊した自宅の下敷きになり夫人とともに死去。
ジュンク堂のブックカバーのデザイン(JUNKUDOとローマ字で書かれている文字の上のデザイン)を書かれているのは津高和一さんです。
もともとは詩人として戦前は活動していた彼ですが、戦時中、治安維持法が広い範囲に影響し、天皇批判や反戦はもちろんのこと平和の声すらシャットアウトされました。文芸部門においては小説はもちろんのこと詩歌、俳句、川柳までも弾圧の対象となってしまいました。この影響を受け、彼は詩人の道を断念し、絵筆に持ち替え活動するようになります。
彼の作品の多くは、黒を基調とした描線にほかの色も加わりながらキャンバスににじみ、ぼかされながら、かすんでいます。この描写は、何かを強く主張するようなインパクトのある絵ではなく、彼がキャンバスの上で詩を表現するかのように、心の中にある気持ちを絵で詠っているのかのように思えてきます。
② 作家:鈴木淳夫 すずき あつお 作品名:carvel painting
サイズ:40×40㎝
鈴木淳夫(1977-):愛知県生まれ。2001年静岡大学大学院修了。現在は生まれ故郷の豊橋市を拠点に活動するアーティスト。自分にしかできないような絵画を作りたいという思いを持ち、自身の作品を、絵具を彫る、「彫る絵画」と称す。その技法は自身で開発したもので、木のパネルにアクリル絵の具を何層にも塗り重ね、乾燥させてから彫刻刀で削り出すことで様々な図柄を描いています。
当店の作品も、近くで見ると削り出したところが立体的になっており、小さいながらも存在感があります。一つ一つ細かく絵具を彫る作業には一体どのくらいの時間を要しているのか、、想像しただけで彼の技法に対する熱い思いが伝わってきます。
③ 作家:石橋志郎 いしばし しろう 作品名:view
サイズ:71.5×56.5cm
石橋志郎 :大阪府豊中市出身。2005年京都市立芸術大学美術学部日本画専攻卒業。
日本画における顔料の「粒子」を手掛かりに「空白/余白」「地/図」「境界」をテーマとして空間に放たれる光の輝きを追求。自分にしか日本画で表現できない「白」にこだわりを持つ。
2021年「京都日本画新展2021」で大賞を受賞。この後の活躍が期待されています。
日本画の白には貝殻を砕いてできた胡粉(ごふん)や天然の鉱物を砕いてできた岩絵の具、人工的な色ガラスを砕いた新岩絵具などがあります。胡粉でもハマグリやホタテなど様々な種類がある上に、貝殻の品質によっても色が変わってきます。さらに塗った時と乾いた時では色が変わるため一つ一つ試しながら施されているそうです。実際に作品を見ないと質感は伝わらない、デジタルが普及したこの時代に逆らうような作風だと話されています。
当店の作品も、近距離でよく見ると、かすかにキラキラと貝殻のように光っていることが分かります。どんな胡粉や絵の具を使っているのでしょうか。一つ一つ試行錯誤して表現されている「白」をぜひ近くで見ていただきたい作品です。
④ 作家:今井俊満 いまい としみつ
サイズ:103.8×69cm
今井俊満(1928-2002):洋画家。京都市出身。東京芸術大学美術学部油絵科を派遣学生として1年間学んだ後渡仏。パリで起こった不定形な抽象絵画による芸術運動、アンフォルメル運動に参加。
アンフォルメルとは、フランス語で「非定型」という意味です。1940年代半ばから1950年代にかけてフランスを中心としたヨーロッパ各地に激しい抽象絵画を中心とした美術の動向を表した言葉です。
彼は渡仏した際、そのアンフォルメル運動に身を投じました。キャンバスに感情をそのままをぶつけるように絵具を飛び散らせながら描くエネルギッシュな作風は、まさにそのアンフォルメルを象徴しています。
当店の彼の作品はまさにアンフォルメル期の作品になります。
また彼は、1970年の大阪万博博覧会では、企業パビリオンの美術監督を務めるなど才能は多岐に渡ります。
その後1980年代~1990年代にかけて、彼はそれまでとは全く違った、琳派を彷彿させるような非常にシンプルで洗練された作風で、梅や桜などの作品を描くようになります。
一体彼に何があったのでしょうか。彼はその時、その変貌を「日本の伝統的芸術遺産の特定の形態に回帰したわけではない。私が回帰したのは芸術伝統の奥底を流れる、定からぬ全体、そこに戻ったのだ」と語っています。
晩年まで変化を求め続けた彼ですが、病に侵され、余命数か月との宣告を受けます。しかし創作意欲を失うことなく、病を公表し、東京で「サヨナラ展」を開催し周囲を驚かせました。晩年の彼の作品は日本の女子高生をモチーフに、東京の風俗をシニカルに描くなど変貌をし続けました。
彼の経歴、たどってきた歴史などを踏まえながら改めてこの作品を見つめると、荒々しく、エネルギッシュにキャンバスいっぱいに黒で筆を動かしながらも、どこかアンフォルメル期、第二次世界大戦後の不安定な世の中の存在を描いているように思えてきます。
⑤ 作家:菅木志雄 すが きしお 作品名:界隈
サイズ:68×87cm
菅木志雄(1944-):現代美術家。岩手県出身。彼の作品は立体やインスタレーションなど多岐に渡ります。
1960年初めて個展に出店するがその時の作品は赤く塗装した木材が自立する作品でした。まるで視覚を操作するような印象を与える印象です。このように視覚を操作する絵画や立体作品と同時に、彼は様々な素材、例えば綿、おがくず、ガラスなどがアクリルの箱に入った作品などを手掛けるようになりました。
同時にそのころ、空間や素材の探求がムーブメントとして認められるようになります。李禹煥が石と鉄板作品を発表しているのもその一つです。そのような背景があり、菅木志雄、李禹煥や関根伸夫は「もの派」と呼ばれるになりました。
当店の彼の展示の作品は、その「もの派」と呼ばれる彼の平面作品です。
また立体作品とは違う雰囲気を味わっていただけると思います。
⑥ 作家:デビット・ロウ 作品名:白・黒
当店では上記の二枚の絵を柱を挟むようにして展示しております。
まるで風神・雷神のような存在です。
デビッド・ロウ(1949-):ポートランド生まれ。若いころインドを訪れた際、色彩感覚のベースとなる影響を受ける。ポストモダン絵画と概念抽象化の動きに関連する現代の抽象画家。
本日は当店の展示の作品とともに作家の方々についてご紹介させていただきました。
当店ではお客様のインテリア、ご希望にあった絵画をご提案させていただいております。
ぜひ絵画にご興味のある方は当店に一度ご相談ください。
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