デンマークデザインのアイコン
アルネ・ヤコブセンが1958年にデザインしたエッグチェア。
その名の通り、たまごがポワっと中に浮かんだような愛らしいデザイン。
自身の建築であるSASロイヤルホテルのロビー用にスワンチェアとともに誕生し、60年以上たった現在もデンマークデザインのアイコンとして愛され続けています。
DETAILS
サイズ
重量
ラウンジチェア 20kg
フットスツール 4.5kg
デザイン
アルネ・ヤコブセン(1957)
エッグチェアの名前はその有機的なデザイン
ー---まるで一部が割れた「たまご」のような形状に由来します。
その形状により、ポジションを変えて座ることができ、好きにくつろぐことができます。
エッグチェアはスワンチェアと同様、コペンハーゲンのSASロイヤルホテルのロビーのためにデザインされました。
BLOG デンマーク研修報告2018②~SASロイヤルホテル~
このプロジェクトの課題は、自宅に招かれているような親しみとリラックスを与え、同時に洗練された高級感のある雰囲気を作り出すことでした。
ヤコブセンはこの課題に対して背もたれ、ヘッドレスト、アームレストが一体となった、調和のとれた美しいラウンジチェアを作り上げたのです。
エッグチェアはデザイン史における名作の一つであり、今日では高級ホテルや企業、映画や広告などでも多く目にすることができます。
クラフトマンシップ
エッグチェアのプロトタイプはアルネ・ヤコブセンが自宅のガレージで製作したものです。
ヤコブセンは彫刻家のごとく石膏を削って有機的なフォルムを生み出すプロセスを模索しました。
現在のエッグチェアのフレームはスチールを用い、シートにはグラスファイバーで強化されたポリウレタンフォームを使用しております。
手作業で縫い上げ、さらにステッチの数まで細かく決まりがある張り込みは非常に高い精度が要求されるため、資格を持つ従業員でないと作業を行うことができません。
伝統的な職人技を駆使した製造工程のため、エッグチェアは週に6~7台しか生産できないのです。
アルネ・ヤコブセン
アルネ・ヤコブセンは、1902年にコペンハーゲンに生まれ、家具デザインの歴史の中で最も重要なデザイナーの一人です。
デンマーク王立芸術アカデミーで学び、1927年に卒業した後、1930年には自身のスタジオを開設しました。
アルネ・ヤコブセンは建築家であり、家具デザイン、工業デザイン、テキスタイルデザイン、陶芸家など、ざまざまな分野でその才能を発揮しており、そのアイデアとデザインから『デンマークのル・コルビジェ』とも呼ばれています。
デザイナー アルネ・ヤコブセン
アルネ・ヤコブセンは最後の建築、デンマーク国立銀行の完成を待たず、1971年3月24日、故郷の町で亡くなりました。
偉大なデザイナーがこの世を去ってから50年になりますが、彼のデザインによる様々なプロダクトは現在も製造されており、我々の身近に存在しています。