賓客のための近代的ホテルを大阪に
1935年、大阪の政財界の有力者が参画した『大大阪』を掲げた
一大プロジェクトが始まります。
フリッツ ハンセン ストア 大阪が店舗を構える、
リーガロイヤルホテルの前身『新大阪ホテル』の誕生でした。
そして、1965年、新たに完成した『大阪ロイヤルホテル』は
日本建築の大家、吉田五十八氏らによる意匠設計。
文化価値の高い美術品があちらこちらに見られ、
大理石の床には日本画家、安田靫彦氏の図案を用いた蘭模様の中国段通が敷かれるなど、優美で贅沢な空間が広がっていました。
高松宮妃殿下による『大阪ロイヤルホテル』の開館式のテープカット
その8年後の1973年、新館が完成。
地上30階、地下2階、当時東洋一の客室数、1565室という規模の
まさに大阪の迎賓館。
『ロイヤルホテル』と名称も新たにグランドオープンとなりました。
特筆すべきはメインロビーからの空間です。
床には絢爛豪華な万葉文様の大緞通、鳥模様金蒔絵の柱。
メインラウンジまでの距離を感じさせまいとする吉田五十八氏の意匠。
低い天井に目が行かないよう、緞通の色彩を華やかにしたそうです。
ダウンライトに浮かぶ緞通が柱の金蒔絵とあいまって豪華な雰囲気を醸し出しました。
奥に滝が見える、約700㎡のメインラウンジ。
意匠を凝らした2階までの吹き抜けの開放的な空間。
曲水の宴(※)を模した床を流れる小川は、
吉田五十八氏が奈良の 中宮寺 に次いで建築に水を取り入れたもの。
蒔絵の柱に沿って見上げると
そこには紫雲をイメージした美しいシャンデリア。
1973年当時のまま、今も変わっていません。
※曲水の宴…平安時代の貴族の間で行われた行事。
水の流れる庭園の淵に座り、流れてくる盃が自分の前を通るまでに詩を読んで披露するというもの。
メインロビーはその後、2007年に改装されます。
日本の自然・日本の美をコンセプトに新鮮な感覚を融合。
絨毯は草原をイメージした緑色に、
ガラスの光天井は森の木漏れ日を表現しています。
そして、2019年6月。
12年ぶりにリニューアルが行われ、再び生まれ変わりました。
伝統と革新。
現代のクリエーターによる最新の技術やデザインを融合させ、
吉田五十八氏の思想を甦らせました。
新たに照明を当てた金蒔絵の柱。
藤原時代の鳥模様がより一層際立ちます。
新館開業当時の「万葉の錦」をリデザインした大緞通。
600色もの色サンプルを使用して製作されたそうです。
万葉集から引用されたという『令和』の新時代にぴったりですね。
※引用:リーガロイヤルホテル季刊誌「The ROYAL」
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今回の改装デザインを担当されたのは、東京の株式会社トラフ建築設計事務所さんです。
「吉田五十八」のデザインを尊重した「リデザインコンセプト」が今の時代に見事に蘇りました。
株式会社トラフ建築設計事務所HP→ http://torafu.com/
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まだまだ魅力がいっぱいのリーガロイヤルホテル。
引き続きご紹介していきたいと思っておりますのでお楽しみに!
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