アルネ・ヤコブセンの遺作、ナショナルバンク(デンマーク国立銀行)
魂を込めた最後の作品は
遺作にして最高傑作であると言われています。
国立銀行という性質上、ロビーのみ見学することができました。
あの荘厳な空間を体感して参りましたので、ご紹介したいと思います。
エントランスの自動ドアは2重になっていて、
最初の扉が閉まらないと次の扉が開かない仕組み。
ぼんやり立ってるといつまでたっても扉が開きません(笑)
そして正面にいきなり飛び込んでくるこの景色!
間口4M、奥行き14Mのこの空間。
約20Mの天井へと続く、彫刻のような美しい階段!
特徴的な8本の赤いスチールのワイヤーで吊るされています。
ダヴィンチの最後の晩餐を見たとき、
サグラダ・ファミリアを遠くに認めたとき、
中宮寺の半跏思惟像に会えたとき、
私の人生3大衝撃が4つに増えた瞬間でした。
6階までの吹き抜けは圧巻の迫力
光のスリットが神々しく感じます。
エントランスを振り返るとやはり荘厳な雰囲気。
そして印象的な5枚のタペストリー(3枚ですけど・・・)
少しづつ赤い色の割合が大きくなっていくデザイン。
キム・ネイバーというデザイナーの作品です。
このクールな空間に温かみのある色合いを合わせています。
スワンが鎮座する中央の丸いラグも彼女のデザインなんです。
私が今回見ることができたのはここまで。
ここから先はエントランスで頂いたパンフレットからご紹介しますね。
バンキングホール
アフリカのドウシェ材のフローリングとペアウッドの壁パネル。
ガラスのショーケースに吊るされたバスケットにはヤコブセンの愛したランの花やグリーンが。
天井を照らす照明はルードブレ市庁舎でも使われています。
※現在は省エネタイプのライトに変わっているそうです(残念!)
会議室
ナショナルバンクにはたくさんの会議室があります。
長い廊下に並んだ会議室は全て南側のコートヤードに面しています。
その窓からは美しい庭を見ることができるんですね。
最上階の重役会議室からは近隣の歴史的な建物を望めるのだそうです。
モジュラーオフィス
420cm×420cmのモジュールを用いてデザインされたというオフィス。
ホールと同じくドウシェ材のフローリングとペアウッドの壁パネル。
メタルの天井にはヤコブセンのムンケゴーランプが。
そして、見つけました! リリーチェア 。
ナショナルバンクの為にデザインされたこのチェア。
エイトチェアとも呼ばれる、ヤコブセン最後の作品です。
ヤコブセンはこの建物の為に様々なデザインをしています。
ドアノブや、今も人気のバンカースクロック、水栓金具・・・
さらに換気システムまで!
最後まで完璧主義を貫いたのですね。
業務に支障のないように、工程を数回に分けたこのプロジェクト。
その第一ステージを終え、この建築が滞りなく進んでいることを見届けた
巨匠、アルネ・ヤコブセンは、
ナショナルバンクの完成を待たずして
69歳で静かにその生涯を閉じました。
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