前回のブログでご紹介しましたベルビュー地区。
モダンな白い建物、美しいビーチ・・・
デンマークの人々の憧れのリゾート地。
ですが、
昔は人里離れ、馬でしか来れないようなところだったそうです。
行方不明になった少女を探す為にここまで来た人々が
偶然温泉を発見したという言い伝えがあるのだとか。
・・・少女は見つかったんだろうか。
『多分作り話だと思う(笑)』と、
内部をご説明してくださったフィアさん(左)
なんと、かつてヤコブセンスタジオで働いていたんだそうです。
さて、今回ご紹介するベルビューシアター(1936)
デザインはもちろんアルネ・ヤコブセン。
テーマカラーのブルーのロゴタイプが印象的です。
ヤコブセンらしい大きくうねった曲線の庇。
大きな広告看板!
正面の外観だけでもおなかいっぱいになりそうです。
開発当時サマーシティと呼ばれたリゾート地。
この建物は海沿いのシアターというコンセプトを存分に持っています。
リゾート感満載の当時のポスター。
デンマークではとても有名なデザイナーの作品だそうです。
では内部をご案内いたします。
客席のシートはビーチ材の成型合板。
そう、サプライヤーはフリッツ・ハンセン!
連続したカーブは波をイメージ。
夏は暑いので、とレザー張りはシート部のみ。
壁はキャンバス。
テントをイメージしています。
ベルビュー地区の共通のコンセプト、青と白のストライプ。
ビーチの展望台やアイスクリームショップもストライプ。チケットも。
同じコンセプトにすることによって、全体を統一させています。
長年のたばこの煙で茶色くなってますけど・・・
彼方に水平線をイメージさせるまっすぐなライン。
細い竹でできています。
そして・・・
開閉式のルーフ。
1963年当時のモーター式と機構は変わっていないそうです。
メンテナンスが欠かせないんだとか。
海からの風と香りが入ってきて、とてもいい気持ちです。
これも演出なんですね。
現在の演目は『BELLEVUE BADEHOTEL』
たぶん題材はホテルなんでしょう。
なんと、観客用にバスローブが用意されているそうです。
お客さんもこのホテルの利用者の気持ちになってもらうんですね。
そのまま海に行ってもいいんですって。
でも・・・日本人にはちょっと恥ずかしいですね。
嬉しいことにステージに上がらせてもらえたんです!
女優気分!
天井には、アーティチョーク!
装飾のコンセプトが同じ。
ストライプや竹。
ベルビューランプやsika・designのラタンのソファ!
ステージですよ!
まるでベルビューシアターの中にホテルがあるみたいです。
こちらはエントランスを抜けたところにある階段。
緑青色のカーペットと白い壁が印象的です。
重厚感のある木製の手すりが時間と共に非常に美しく変化し、
ヤコブセンの曲線に艶を与えています。
照明はルイスポールセンとのコラボレーションだそうです。
スポットでハンドルのみを照らした照明。
壁と天井をなだらかな曲線でつなぎ、やわらかい印象を与えています。
間接的に使った光にもリズムを持たせています。
ベルビュー地区の総合的なデザインを手掛けながら、
家具だけでなく、光や風、香りまでも重要なファクターと位置づけ、
細かい部分にも気を配ったヤコブセン。
フィアさんは『オタク』、もしかしたら『変人』くらいの言葉で、
しかし絶大な尊敬と愛をもってヤコブセンを表現していました。
そうそう、
来年、エッグとスワンの催しを計画しているそうです。
ぜひ観たいですね。
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