デンマークに雨女降臨。
天気に恵まれないこの日。
向かったのはフリッツ・ハンセンの本社です。
デンマーク本社のあるAllerød(アレロッド)は郊外の静かな町。
この日は韓国から参加した皆様と同乗のため、
ながーいバスで移動しました。
コペンハーゲンから約20分くらいでしょうか。
エントランス
オブジェクツコレクション がお出迎えです。
ピンクの ルネ がとてもかわいくて印象的でした。
クッションがぐちゃぐちゃですが。
ここはかつて工場だったスペース。
フリッツ・ハンセンの魅力がぎゅっと詰まっています。
1947年当時の本社の様子。
当時はここに300人ものひとが働いていたそうです。
現在は一部を残し、図書館や学校などに変わっています。
まず出迎えてくれたのが4つのテーマに分かれた展示ブース。
それぞれ『Legacy』『Now』『Craft』『Idea』。
特筆すべきは『Legacy』のブース。
創始者であるフリッツ・ハンセンはクラフトマン。
家具のパーツを製作するサプライヤーだったそうです。
1872年、弱冠25歳でのスタートでした。
1878年の椅子です。
フリッツ・ハンセンが自身の為に製作した最初の椅子。
もともとは装飾的な椅子を製作していたのですが、
自身が使用するものは非常にシンプルでした。
なんとすでに合板をを使用しています。
そして1896年、息子のクリスチャンの代になると、
このアレロッドの地に根を下ろします。
技術の向上に努めたフリッツ・ハンセン社は
木材の切り出し、曲木、合板やスチールの加工において頭角を現し
1900年頃から成長を拡大していきます。
コペンハーゲン市庁舎、デンマーク国会議事堂、裁判所など、
様々な施設で採用されたチェアが並びます。
3代目を継いだの兄弟のうち、デザイナーのソーレン・ハンセンは
バウハウスのカンチレバーからインスピレーションを受け、
1930年代からスチールを使用した製品を発展させていきます
1933年のカンチレバー式の椅子。
さらに工業化が進められ、
フリッツ・ハンセン社がデザイナーと共に製作した名作の数々。
まさに遺産。
ヤコブセンとの最初の製品、ベルビューチェア(1934)
座面はタッカーを使用し、ジョイントを少なくするなど
量産できるように工夫されています。
コーア・クリントのチャーチチェア(1936)
背中に聖書を入れるスペースを設けた機能的なチェア。
父親のイェンセン・クリントが設計したグルントヴィークス教会の為に
デザインされ、現在も使用されています。
フリッツ・ハンセン社で2004年まで製造されていました。
ハンス・J・ウェグナー の チャイナチェア (1944)
典型的な中国様式のチェアに、デンマークのエッセンスを。
ジョイントが加えられているところがウェグナーらしくて
納得してしまいます。
エドワード・トンプソンの託児所用テーブル(1947)
曲木や切り出しなど、木材加工の技術を生かしたデザイン。
これじゃ、子供たちはおとなしく座っているしかないですね。
さて、ここからは1950年代になるわけですが、
それはまた次回に。
フリッツ・ハンセンを代表する巨匠、
アルネ・ヤコブセン や ポール・ケアホルム の時代ですから。
おまけ。
背後に見えるパネルには
ここを訪れた人々がメッセージを残しています。
きっと、私が受けた衝撃や感動と同じ気持ちが
様々な言語で表現されているのだろうな・・・
そんなことを考えながらしばし眺めていたら、
次への移動に遅れ、せかされながらあわてて退場。
実は、弊社の代表と先輩たちのサインを見つけたんです。
私も同じ場所にメッセージを残しました。
証拠写真はないですけど、それはこれから行く後輩に託すことにします。
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