インタビュー ~行正り香さん編~

当店のグループ店舗である、銀座のDANSK MØBEL GALLERY(ダンスク ムーベル ギャラリー)のブログでは、当店を運営する㈱KEIZO代表の砂原啓三が各方面でご活躍される方々に現在お使いのデンマーク家具についてインタビューをした「私のDANSK MØBEL」の連載をしております。

DANSK MØBEL とは、デンマーク語で「DANSK(ダンスク)=デンマークの」「MØBEL(ムーベル)=家具」と言う意味です。

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今回は料理研究家 行正り香さんへのインタビューです。

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(左)株式会社KEIZO代表 砂原啓三 (右)料理研究家 行正り香さん

(行正り香さんのご自宅にて撮影)

■どのようなデンマーク家具をご自宅でお使いでしょうか。

デンマークの家具はかなり色々なものを持っていますが、その中でもフィン・ユール、オーレ・ヴァンシャー、アルネ・ヤコブセンの家具はやはり好きだなと思いますね。

フィン・ユールは座りやすいですし、オーレ・ヴァンシャーはエレガントな感じがしますよね。この3名は特に好きなデザイナーです。

あとは、ハンス・J・ウェグナーも好きです。

曲線が綺麗で日本の家屋に合いやすいですし、「用の美」と言うのでしょうか何より実用的ですね。

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写真左側の2脚がフィン・ユールのデザインしたチェア “No.45

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アルネ・ヤコブセンのデザインしたチェア “リリーチェア“。
背と座をレザーで貼りくるんだ仕様をお使いいただいています。

最初はこれらの「木」を主な素材とした家具が好きだったのですが、ダンスクムーベルさんでポール・ケアホルムのスチールを用いた家具を見て「ああ、こういうモダンな家具も素敵だな」と思うようになり、今では木製の家具とミックスしてレイアウトするようになりました。

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ポール・ケアホルムのダイニングテーブル “PK54“に、ハンス・J・ウェグナーのチェア “CH88“のセッティング。

■購入のエピソードなどあればお聞かせください。

前職のときに出張で初めてデンマークに行ったのですが、そのときに泊まったホテルにアーティチョーク(ルイス・ポールセン社を代表するペンダントライト)がたくさん並んでいたんです。

寒い2月のことだったのですが、朝からキャンドルがついていて暖かいアーティチョークの光があって・・・。とても衝撃でした。

その後、色々なデンマークの方のご自宅に伺わせてもらったのですが、家具にかける情熱が私たち日本人とは全く違うんですよね。その情熱がだんだん私にもうつってきて(笑)、デンマーク家具に興味を持つようになりました。

それまではイタリア家具だったんですけど、この出張を機にデンマーク家具に大きくシフトしました。ちょうど40歳前くらいの時のことです。30代ではイタリア家具、40代でデンマーク家具ですね。

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ご自宅にてお使いいただいているアーティチョーク。

ホワイト仕上げや銅のタイプなど、その場所に合わせ使い分けてお使いいただいています。

デンマーク家具に興味を持ち始めたころは、ヨーロッパでヴィンテージのデンマーク家具を買って日本に送っていたんです。

ただ、それも大変だなと思っていた頃に、ルカ・スカンジナビアさん(※DANSK MØBEL GALLERY1階にございますヴィンテージ北欧家具ショップ)やダンスクムーベルさんに出会い、「日本でもこういう素敵なお店があるんだ!」と分かり、それからはそういうお店で購入するようになりました。

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ルカ・スカンジナビアさんにてご購入されたチェア

そもそもデンマーク家具で最初にどうしても欲しいと思ったのはイージーチェア(ラウンジチェア)だったんです。

子供が生まれたときに私の父が、お祝いに何か宝石でも買ってあげる、と言ってくれたのですが、「宝石はいらないか椅子を買って欲しい」言って、買ってもらったんです。その椅子が届いた直後に子供が汚したりしたんですけど(笑)。

でも、本物がすごいな、と思うのは、どれだけ古くなっても汚れても品格があるんですよね。やっぱり存在感が違いますね

■デンマーク家具にどのようなイメージがありますか?

デンマーク家具の大きな特徴の一つに、「日本の家屋に合う」ということがあると思います。

美しい家具だけで言えばイタリア家具も美しいですが、日本の家屋に合うという点で言えばやはりデンマーク家具だと思います。

私が次にやりたいと思っているのは、ダンスクムーベルさんみたいな和のテイストを取り入れたインテリア空間を作りたいんです。少し壁の色を落として、テイストをミックスさせて・・・。そういうミックスした感じが一番大人っぽいと思っていて、それが出来るのがデンマーク家具だと思うんです。

日本の元々持っている繊細でシャープな線の美しさに、優雅な曲線を加えてくれるのがデンマーク家具だと思います。


シャンデリアやベネチアンガラスも好きなのですが、やっぱりどうしても日本の家には合わない。家からの借景やその家の持っているポテンシャルに家具を合わせていくとなると、デンマークの家具とか照明になっていきますよね。

なので、私はベネチアンガラスを置いている部屋は薄いカーテンをして、外の景色が見えないようにしているんです。外の景色が見えるとやっぱり合わないから(笑)。

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ベネチアンガラスのシャンデリアのあるお部屋。

■次に欲しいデンマーク家具はありますか?

ポール・ケアホルムの二人掛けのソファ”PK31“が欲しいですね。あのソファは、とにかく美しいですね。あとは同じくポール・ケアホルムのセンターテーブル”PK61“。この二つが欲しいですね。

ダンスクムーベルさんに置いてあるレザーの色がまた良いですよね。

あのソファが置けるような部屋にリフォームしたいと思っていて、今はリフォームのことを想像して楽しんでいます(笑)。PK31の前にPK61を置いて・・・。

似たようなものは沢山ありますけど、あれほど美しく、日本家屋にも合うものは他にはないと思います。

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DANSK MØBEL GALLERYで展示中のポール・ケアホルムによるソファ “PK31“(写真左)。

ラウンジチェア”PK22“(写真右)とセンターテーブル”PK61“(写真中央)と合わせて展示しております。

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和風建築とポール・ケアホルムの家具のマッチング

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こちらは畳の空間へのレイアウトです

■インテリアで特に気を配っていることは何でしょうか。

一番気を配っているのは照明ですね。

どんなに素晴らしいインテリアでも照明がダメだとすべてがダメになると思います。調光器はお手洗いに至るまで全部つけています。

照明・音楽・香りなど空間を変える力があるものには特にこだわりますね。

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絵画を照らすように設置された照明。

また、常々感じていることとしては、いわゆる「リッチさ」とは異なる豊かさを、北欧家具はものすごく考えていると思います。

どういう風にすれば豊かな時間が過ごせるか」ということを常に追求していると感じますね。座り心地の良いチェアがあって、キャンドルがあって、低めに吊るされた照明があって・・・。

美しさを超えた豊かさを見出す力が北欧家具にはあると思います。

なので、私は本当にお勧めします。

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キッチンの上に低く吊るされたペンダントライト。

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料理研究家

行正り香

福岡生まれ。広告代理店に就職しCMプロデューサーとして活躍。2007年に、広告代理店を退社。著書に、「だれか来る日のメニュー」、「おうちに帰って、ごはんにしよう。」「19時から作るごはん」など39冊がある。中国語版、韓国語版にも翻訳済。NHKワールドでは「Dining with the Chef」のホストを務め、世界に向けて日本料理をプロモートしている。

HP:http://fooddays.jp/

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