1960年、SAS(スカンジナビア・エアライン)がニューヨーク便を就航させたのを機に、アメリカ人パッセンジャーを受け入れるため、デンマークの首都コペンハーゲンに建造されたのがSASロイヤルホテルです。
このホテルを設計したのがアルネ・ヤコブセン。ヤコブセンはこのホテルの建築設計はもちろん、家具・照明器具・壁紙・食器・ドアノブ・水洗金具なども全てのデザインします。
エッグチェアはロービー用の椅子としてデザインされました。ハイバックでウイングの有るフォルムは時として喧騒に包まれるロビーの中で、椅子を円形に配置することにより、パーテ―ションの役割を果たし防音と視線をカットする効果を発します。
硬質発泡ウレタンをベースとする構造は、当時としは革新的で、フリッツハンセン社との協力なしでは実現できた物です。
ホテルのような大きなプロジェクトで建築設計すら大事業なのに椅子までデザインし、しかも当時の新素材を初めて椅子に使うなど想像に絶する作業と時間が必要だったのでは・・・・。
ヤコブセンにはこれをなしえる人並み外れた強い情熱と人を動かせる魅力が有ったのでしょうね。
ただホテルが竣工した当時のコペンハーゲン市民の反応は賛否両論。近くに市庁舎などの歴史的建造物がたくさんあるコペンハーゲンの中心地に、突如今まで見た事もない超モダンな建造物が出現したのですから・・・。これが後に北欧家具のモダンインテリアの礎になるとは当時の否論者には想像してなかったでしょう。
(KEIZO)
1960年代のSAS ROYAL HOTEL
1960年代ロビー
現在のロビー
2002年に再現された竣工当時の部屋606ヤコブセンスウィート
一般家庭でも・・。(東京・麻布十番)
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